一年間の『ありがとう』

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431 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 21:04:12 ID:6jF+s4KZ
帰りの電車の中。
押し寄せる悲しみに涙を流さないように、マミさんからもらったアルバムを見ていた。
中に貼ってある写真を一枚一枚見ながら、いろいろなことを思い出していた。
ふとある写真で目がとまる。
きっとコンビニのコピー機でコピーした写真の、ちょうど背景に当たる部分。


文字のようなものがうっすらと見える。


俺は思い切ってアルバムから写真を剥がし、裏を見てみた。

すると、そこにはマミさんからの手書きのメッセージが…
俺は表紙に戻り一枚一枚確認していく。

433 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 21:16:19 ID:6jF+s4KZ
まず、一番最初の絵葉書の裏には、
『だいちゃんと出逢って、もう10ヵ月。
あっという間に冬が来たね。
この間、いろんな事話して、いろんな所行って、楽しい事たくさんあったね。
だいちゃんにとって、一番の思い出は何かな?
あたしは、HYも映画もスゴク楽しかったし、誕生日も歌まで歌ってもらえてとってもうれしかった。でも、やっぱり一番に出てくるのは、毎日の何気ない日々かなぁ。。。
朝おはよ〜って言ったり、一緒にたくさん笑ったり、オレンジジュースはすごくおいしかった。
いつもA優しく接してくれたよね。
いつもA隣にいてくれたよね。
本当にありがとう』

434 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 21:43:14 ID:6jF+s4KZ
次のページの女の子の誕生会の写真の裏には、
『この時から、あたしはだいちゃんに、“姉ちゃん”って呼ばれるようになって、
この時から、“だいちゃん”って呼ぶようになったんだよね。
メールのアド、ケータイの番号、聞いてくれた時は、すごくうれしかった。
歌もうれしかった。この日以来、あたしは、いろんな物、だいちゃんからもらって。。。
改めて、幸せ者だったなと思います。』

436 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 22:00:30 ID:6jF+s4KZ
登山の時の頂上で撮った写真の裏には、
『だいちゃんの19回目のBirthDay☆
すっごいキレイで眺めのいい場所で、歌うたったね。
実は、自分のコトみたいに思えて、涙ぐんでたりしてたあたし…
忘れられないよね!
ずっと、つきそってくれたよね♪男らしくてかっこよかったよ☆
すっごく助かりました!
一番はりきってたわりに、体力もたなかったし。。。
また、いつか、みんなで山登りたいねー
だいちゃんにとって、20回目の誕生日も、心に残る最高の年になるといいな♪というより、、、HAPPYな年になりますように。。。祈ってます☆』

437 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 22:15:10 ID:6jF+s4KZ
2枚目の絵葉書の裏には、
『あたしだいちゃんに一つ謝らなきゃいけないことがあるんだ。
たくさん謝ることがあるんだけどとりあえず…
あたしね、中期中、前期のだいちゃんとの思い出全部忘れようとしてたんだ。彼氏のこともあるけど、それよりも前に自分を守ろうと思ったんだと思う。。。
だいちゃんを一度でも恋愛対象としてみてしまったことに、罪悪感感じて。。。
それで、どうしてもだいちゃんの目を見ることができなかった。
自分勝手すぎて、どうしたらいいのかも分からなくて。
でも、今、だいちゃんから逃げてた自分と向き合ってどうしてもっと早く素直に言えなかったのかなって思う。だいちゃんの気持ちが嬉しくて、離れてほしくなくて、でも、自分はだいちゃんの気持ちに応えてあげられなくて。

438 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 22:16:51 ID:6jF+s4KZ
うまく表現できなくて。
きっとだいちゃんは、このままでもいいからって思ってたと思うけど、そんなことをしてる自分がだいちゃんを遊んでるみたいでやだった。本当は、たくさんまだA話したかったり歌だって聞きたかった。
もう少しあたしが大人だったら、だいちゃん追い詰めることもなかったよね。。。
離れなくちゃいけないことを知って、たくさん考えてあたしはだいちゃんのコト大切にしてた(思ってた)のを改めて感じた。
だから、思い出になってしまうけど、忘れられてしまうかも知れないけど、あたしはだいちゃんと出逢ったこと、ずっと覚えていようと思う。
たった10ヵ月だったけど、いい時間だったよ!
ありがとう☆』

439 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 22:30:54 ID:6jF+s4KZ
マミさんの誕生会の時のツーショットの写真の裏には、
『みんないつも飲むのにこの日だけは、全然飲まなくて、少し心配してた。
でも、それが、歌のためだったなんて何もしらず…
電気が消えて、あたしとだいちゃんと○○(もう一人)3人のケーキが出てきた。
前の日にマミ's BirthDayやってもらってたから、あたしすっごいビックリしたよ。
その後、男子で歌うたってくれて本当にうれしかったなぁ!
みんなに聞いたら、「大地くんに(お礼なら)言ってやって下さい。あいつすごく頑張ってたから」って口そろえて言ってきて。
この時ねー、だいちゃんの彼女はいいなぁって思ったの覚えてる。
ビックリしたし、すごく心にグッときたから。
だいちゃんは誰よりも人を思いやれる素晴らしい心の持ち主だから、ずっと変わらないだいちゃんでいてほしいな☆
心に残る最高の誕生日会、どうもありがとう☆20歳の誕生日、一生忘れないから☆』

440 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 22:32:56 ID:6jF+s4KZ
体育大会の写真の裏には、
『一緒にドッヂボール頑張ったね!
結果はよくなかったけど、同じコートの中で楽しめて良かった☆
ケンカ(?)んー、仲が微妙でも、同じコトをして、笑っていると楽しいもんなんだよね。
遠くで見てても、だいちゃんがいいプレイすると、あたしうれしかったよ♪』

441 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 22:34:22 ID:6jF+s4KZ
猫の絵葉書の裏には、
『継続も大事だけど、息抜きも同じくらい大事だと思う。
だいちゃん、これ読んでるってことは今、休憩中かな??
充電満杯になったら、何スルのかな??
元気になるためには、ごはんたくさん食べなきゃダメだよ!
ということで、今から誰かと焼肉食べに行っておいで☆やっぱこんな時はお肉でしょ♪
それでも、気持ち晴れなかったらメールしておいで!
お姉ちゃんとして、どんなコトでも弟の話ちゃんと聞くから。そんで出来る限り元気になれるように協力する!
だいちゃんはあたしが寂しがらないように毎日笑っていられるように接してくれたから、人を想える力は誰よりもあると思う。きっと、だいちゃんの周りの人も気づいてるはず!
だから、安心して前に進んで大丈夫!!
深呼吸して、背伸びして、大好きな歌を歌って、頑張ろう!
今日がダメでも、明日はいい日になるから!』

俺は電車の中で涙を堪えるのに精一杯だった。

442 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 23:16:22 ID:6jF+s4KZ
今年四月。
友達と遊ぶため三日間だけ戻ってきた俺は、最終日のこの日予定を一日空けていた。
俺はマミさんに会いに、いつもの公園のいつものベンチに座っていた。
時計は午後9時を回っている。
四月と言えど夜はかなり冷え込む。
俺は震えながらマミさんを待った。

「俺、姉ちゃんと話がしたいからいつもの場所で待ってるから。来てくれるまで待ってるから。」
そのメールを送って5時間。
未だ連絡はなく、俺はずっとベンチに座っていた。
いつくるかわからないから、なかなかその場を離れることができない。
実はこの日、マミさんに用事があるのは知っていた。それでも、マミさんと話がしたかったから俺はこうして待っている。
マミさんと会えたところで話すことは決まってない。
ただ…ただ、マミさんに会いたかった。

443 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 23:17:29 ID:6jF+s4KZ
今日一日いろんな場所を歩いて回った。
マミさんと一緒に行ったカラオケ屋のまえを通ったり、マミさんと行くハズだった観覧車を見に行った。
ひとつひとつを見て歩く度にいろんなことを思い出した。

最初はマミさんに会う予定はなかったが、どうしても会いたくなってメールを送ってしまった。

その時、マミさんからメールがきた。

マミ「ごめんね、だいちゃんに会うことはできない…」

心臓が止まる感覚。
何度も味わった感覚。
メールを送って返事を待ってたらラチがあかない。
俺は思い切って電話をかけた。

マミさんはすぐに出た。

444 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 23:43:45 ID:6jF+s4KZ
マミ「もしもし」

俺「…久しぶり」

マミ「うん、久しぶり」

俺「あのさ、どうしてもダメかな?」

マミ「うん…」

俺「どうして?」

マミ「あたしね、どうしてもだいちゃんのこと友達としては見れないから…」

そうか、マミさんは彼氏と仲良くやってるのかな…きっと、俺と会ったら揺らいじゃうんだろうな…
それはやっぱりマミさんの幸せじゃないんだろうな…やっぱり最後にマミさんを幸せにできるのは俺じゃなかったんだな。
いろいろな気持ちが溢れてきた。
俺はそれを口にしたらダメなんだと悟った。
俺がマミさんに「好きだ」というのは簡単だが、それをしたらダメなんだと思った。

445 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 23:45:28 ID:6jF+s4KZ
俺「そうか…そっか…」
それしか言えなかった。

マミ「うん、ごめんね」

俺はそれ以上マミさんに言えることはなくなった。

俺「うん…ちゃんと幸せになりなよ?」
それが精一杯だった。

マミ「うん、ありがとう…だいちゃんもね」

俺「ありがとう」
俺は思った。
今…今俺を幸せにできるのは誰でもない、マミさんだけなんだ、と。
それが言えないのは、マミさんの幸せを願ってるからなのか?俺が臆病だからか?

俺はいつものように余裕の表情を作った。
電話の先の見えないマミさんに向かって。

446 :大地 ◆oWouGftk5w :2005/12/31(土) 23:46:32 ID:6jF+s4KZ
俺「姉ちゃん…」

マミ「ん?」

俺「今までありがとう」

マミ「うん…うん」

俺「じゃあ、そろそろ切るね?元気でね?」

マミ「うん、だいちゃんもね?」

俺「それじゃ、ホント今までありがとね」

電話を切った。
もうそれ以上マミさんの声を聞いていられなかった。
携帯の画面には「3分32秒」の表示が光って消えた。

447 :大地 ◆oWouGftk5w :2006/01/01(日) 00:20:51 ID:r1l/Y78Q
そして、俺はマミさんと連絡をとることはなくなった。
あの日から、俺は呪いがかかったように毎日マミさんのことを考える。
完全にマミさんに心を奪われ新しい恋に踏み切れないでいる。
もし、マミさんにまた会うことがあるのなら…その時はまたあの笑顔で俺を迎えてほしい。
そしたら、俺はマミさんに「好きだ」と伝えよう。
あの日伝えられなかった想いを伝えよう。
そして、マミさんがいつか結婚した時…その時に俺の恋は幕を下ろす。
その時まで、その時まではマミさんのことを想っていたい。
いつまでも…



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