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- 476 ：435：2005/11/13(日) 22:56:15 ID:+qCn3lhU
- 僕が彼女と出会ったのは、確か3ヶ月ほど前。
場所・・はいずれ話すとして、その頃の僕の生活と言えば、
朝は６時におきて勉強、８時に家を出た後は２０時頃まで仕事をし、
仕事が終わった後は疲れて頭に何も入らなくなるまで勉強して、
家に帰る・・という、高野山の修行僧もびっくりの日々を送ってい
ました。
- 478 ：435：2005/11/13(日) 23:10:48 ID:+qCn3lhU
- 職場の人間からも、極端に真面目・勤勉・優秀（自分で言うのもどう
かと思いますが）なので、少々警戒心を持った目で見られていました。
多分、どんな行動規範に基づいて動いているのか、周りの人間からは理解で
きなかったのだろうなと思います。
でも、本当は仕事や勉強だけで生きていける人間ではありません。
ストレスが溜まることもあれば、寂しくなったりすることも勉強や仕事が
嫌になることもある。
概ね夜はいつもそうでした。
そういう時はどんな風に過ごしていたかって？
ここからは誰にも言えない話。
家に帰った後には軽く食事を取り、お酒を飲みながら毎晩２ｃｈ
それも煽り嵐を繰り返す。
そんな極めて不毛な日々を送っていました。
- 480 ：435：2005/11/13(日) 23:21:13 ID:+qCn3lhU
- 煽り荒らしと言うと語弊があるかもしれません。
正確に言えば、馬鹿な人間のフリをして、叩かれるのを喜ぶ。
自分が日頃もっとも嫌うタイプの人間（同時に、自分の本質に近いか
もしれない人間）を演じ、そして叩かれることで満足する。
それによって、今の自分の生き方について反対解釈的に精神的な満足を
得ようとしていたのだと思います。
自分が憎むべきもの＝他者が憎むべきもの・・という構図を作ることで、
他者が憎むべきものを憎む自分の生き方を、正当化していたのだと思います。
僕の中には狂気じみたところがあります。
世間で真面目に生きている分、時々こういう下らないことに時間を使わなければ
冷静を保てなくなります。
きっと、本質は怠惰なのに無理をしながら生きているからでしょう。
分からない人には分からないだろうし、分からないのがきっと普通なのだろう
なと思います。
- 483 ：435：2005/11/13(日) 23:48:00 ID:+qCn3lhU
- 彼女（綾ということにしておきます）と知り合った日も
特に普段と変わらない一日。
知り合ったと言うと語弊があるかも。
だって、２ｃｈ上でお互いやり合っただけだから。
おそらく真剣に書き込んでいるであろう人と、
単にそれを茶化し叩くだけの人
僕の感覚からしていつもと違ったのは、相手が妙に真剣に食いついて
くるな・・というその一点。
２ｃｈの住人って、みんな適当に流すのが上手だから少し意外だった。
まぁ後から考えればそれもそのはずで、相手は年端もいかない高校生
だったわけなのだけど。
- 484 ：435：2005/11/14(月) 00:09:50 ID:d5G4m7+G
- 今から思っても、その日は少しどうかしていた気がする。
いつもスレ上で話すことはあっても、それを超えてメール交換は絶対にしない
タイプ。
メールは面倒だし、時間を使う。
嫌いだし、メル友なんてものを持ったことは今まで一度もない。
でもその日、僕は初めて今までとは全く違うレスをした。
「これ以上話すのはスレ違いだから、興味があればメールで話をしてみませんか・・」
と。
多分、きっと綾が余りにも純粋でひたむきだったから。
自分の持っていないものを持っている綾に知らず知らずの内に、興味を持って
しまったのかもしれません。
- 485 ：435：2005/11/14(月) 00:29:10 ID:d5G4m7+G
- それを書き込んだ当初は、メールが来るとは思わなかった。
だって、スレ上とは言え喧嘩をふっかけられた相手にメールを送ったりはしないでしょ。
普通は。
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余談だけど、僕にはすぐに喧嘩をふっかける癖がある。
主に仕事と勉強面に関してだけれども。
理由は簡単。
喧嘩をふっかけて見なければ、相手が信念や主義主張があって行動しているか
分からないし、信念や主義主張が無い人間を信頼することは出来ないから。
喧嘩・・と言うよりは、議論と言う方が近いんだけどね。
正直、今時の高校生が信念や主義主張があるとは思っていなかった（表現が過激ですみませんが）。
ごく一部を除けば、メディアに踊らされ、金にも薬にもならないいわゆる「恋愛」という
ものに逃避して現実からは逃げている人間ばかりだと思っていた。
少し真剣に議論をふっかければ、すぐに逃げ腰になるか感情論を振りかざす。
まともに正面から話し合う能力もなければ意欲もない。
だから、メールが来るとは思わなかった。思えなかった。
でも、心の奥底で期待していたというのは否定できない。
不安定で現実主義な反面、いつか自分を救ってくれて理解してくれる
人が現れるのじゃないのかという期待を持っていたから。
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それはさておき。
しばらくしてからメールをチェックすると見慣れないアドレス
からメールが来ていた。
- 490 ：435：2005/11/14(月) 00:59:25 ID:d5G4m7+G
- メールの内容はごくごく素っ気ない。
自分がどのスレッドの何番であるということ。
そして、今日は寝不足で眠たいから、今日はこの辺りで・・ということ。
ただ少し驚いたのは、綾が自分の携帯電話からメールを送ってきてたということ。
２ｃｈだし、それなりに糞固定として叩かれることも多かった僕に携帯のアドレスを
晒すなんて危険この上ない。
でも彼女のメールからは全く警戒心が感じられなかった。
日常なら、リスク管理能力が無いだの馬鹿じゃないのかだの、そういう風に
叩いてしまいたくなるメールだったけれども、不思議なことに綾を叩く気に
はなれなかった。
書き込みからしてもメールの感じからしても、いかにも２ｃｈには慣れていない
様に思えたし、自分には無い純粋さを感じ取ることが出来たから。
- 491 ：435：2005/11/14(月) 01:03:15 ID:d5G4m7+G
- 僕には譲れない持論があった。
それは、不幸な家庭に産まれた子供は不幸にしかなれないこと。
どれだけ富や名声を手に入れても、幸せにはなれないこと。
不幸な家庭に産まれた子供の子供も、また不幸だということ。
そして、円満な家庭の人間とは一生理解しあえないだろうということ。
だから、他人と多少なりとも近づきたくなった時には必ず聞くようにしている。
親や兄弟とは仲がいいのか、円満な家庭で育ったのか・・と。
もちろん、そこまでストレートに言うわけではなくて、遠まわしに遠まわしに
なのだけれども。
- 492 ：435：2005/11/14(月) 01:20:51 ID:d5G4m7+G
- 綾にも当然、育ってきた家庭環境について聞いた。
礼儀正しくて言葉遣いが丁寧な子だったから、
「親に正しく大事に育てられたんでしょ」とか、
「円満な家庭に育ったのでしょうね」とか。
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